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6月下旬発送〜7月14日発売新刊:ISBN 978-4-910567-03-7
256ページ、B5変形サイズ、並製
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ある日、ひとりのランナーが、アメリカ南部を走る旅に出た。
3,700マイルを、約5ヶ月かけて進んだ。
トレイルや砂漠、ロードを走り、川を進んだ。
そこに住む人々がいた。
人々の良心や、ハグの温かさがあった。
知らなかった「アメリカ」や、みんなのこと、そして新しい「僕たち」が姿を現した。
------- ときに分断や憎しみ、苦しい時間が続く現代を旅する「私たち」に向けられた、稀代のランニング・アーティスト、リッキー・ゲイツによる比類のないドキュメンタリー/フォト・エッセイ集をお届けします。
街や広大な自然、貧富の差、思想・人種・信条・言葉の違い、分断されたアメリカの様子、ビールとホットチョコレートと、チーバ・チューズとポップ・タルト、フライドチキンとミートローフの味、恋人とのあいだに幾重にもかさなる複雑な想い、トレイルや運河、砂漠、ロード、都市の様子、誰かとの軋轢や大統領選挙、交わされた会話の数々、つまり現代アメリカの人間たち、あるいは新しい「僕たち」の様相を、リッキー・ゲイツは200枚以上の写真と抑制の効いた文章で描き出します。
サンフランシスコのクロニクル・ブックス社が2020年に米国で刊行した一大ドキュメンタリーを、『VOGUE』や『WIRED』などで活躍するライター/編集者/翻訳家の川鍋明日香氏が初邦訳しました。お楽しみください。
●THE BEGINNING はじまり
●THE SOUTH サウス
●THE APPALACHIANS アパラチアン・トレイル
●THE RIVER 川
●THE OZARKS オザーク高原
●THE GREAT PLAINS グレード・プレインズ
●THE ROCKY MOUNTAINS ロッキー山脈
●THE DESERT 砂漠
●THE WEST COAST 西海岸
●THE END 終わり
●ACKNOWLEDGMENTS 謝辞
<版元から一言>
2017年のある日、プロフェッショナル・ランナー/ランニング・アーティストのリッキーゲイツは、アメリカ合衆国南部を約3,700マイル走って横断しました。小さなバックパックを背に、「僕たちは誰なのか」という興味を胸に秘め、「分断」されたアメリカ(The Divided America)を東から西へ動き続けました。
サウスカロライナからサンフランシスコを巡るその壮大な旅の様子を、リッキー・ゲイツは、抑制の効いたテキストと、200点を超える膨大な写真を組み合わせた独特のナラティブで記録しています。大部分は、一人称で綴られるドキュメンタリー(ゴンゾ・ジャーナリズム)としてまとめられていますが、たくさんの「仲間/Fellow Americans」の様子や自然、都市や人工物の描写、行間にたしかに感じられる苦しさや優しさ、共感を通して、極めて幅広く多様な「私たち」の物語が立ち上がってきます。リッキーとともに、読者もまたたくさんの風景や人々に出会い、「私たち」について考えることになります。
ランナーとして、アーティストとして、ジャーナリストとして、私たちがまだ見ぬ「アメリカ」や「現代」、そして「人々/僕たち」のことを見つめ、体感し、確かにそこにあって「僕たち」を結びつけているユーモアや優しさ、良心や共感といったものを、リッキー・ゲイツならではの繊細さで描き出そうとしているのが本書であり、その試みが成功し私たちがそれを自分たちのものにしていくことができるとすれば、これから「3,700マイル」を超え、「5ヶ月」を超えて歩を進める「私たち」--- それがアメリカでも、世界のどこであっても ---にとって、確実な励みになる一冊になることは間違いありません。
初邦訳に際し、日本の読者へのインタビュー(木星社のInstagram@mokusei222 を要チェック)で、リッキー・ゲイツは、自然や都市において「Human(人間)」であることや、「Empathy(共感)」という言葉を何度も口にしました。現代の人間にとってEmpathyがいかに力を持つものなのか、本書で体感していただければ嬉しいです。
ランナーや、ハイカー、アウトドアアクティビティが好きな方々、旅をすることが好きな人、写真やジャーナリズム、人類学、社会学、物語が好きな方々にぜひ手に取っていただければと思います。
誰かへのプレゼントにも良いかもしれません。
読者の方々へのキャンペーンなども計画中です。
詳しくは、mokusei.pub や Instagram@mokusei222 で。
どうぞお楽しみに。
感想、メッセージもお待ちしています。
リッキー・ゲイツ (リッキー ゲイツ) (著)
アメリカ合衆国コロラド州に生まれ、プロアスリートとして世界各国のトレイルランニングレースで数々の実績を残した。現在はニューメキシコ州サンタフェを拠点に、ランナー/アーティスト/ジャーナリストとして活動している。『Every Single Street』プロジェクト(2018年)では、サンフランシスコの街にあるすべての道(合計約1,127マイル)を走り、出会った人々や道中の出来事を写真やドキュメンタリー映像、スタッツを活用したビジュアルに残した。本作『アメリカを巡る旅 3,700マイルを走って見つけた、僕たちのこと。』CROSS COUNTRY : A 3,700-Mile Run to Explore Unseen Americaでは、ランニングとジャーナリズムを融合し、現代のアメリカに住む人々や、自然、街に自身が深く入り込んでストーリーを構築する「ゴンゾ・ジャーナリズム」のスタイルで物語を綴った。自然や都市に加え、人間が作り出した構造物、グラフィティ、タギング、ポスターなどさまざまな痕跡も記録しながら、「私たち」あるいは「人間」とは何かを解き明かすためのプロジェクトを続けている。
川鍋明日香 (カワナベ アスカ) (訳)
編集者、ライター、翻訳家として、テクノロジーからカルチャー、社会問題まで幅広いジャンルで取材・執筆・翻訳を手がけている。1993年に東京で生まれ、幼少期を英国で過ごす。大学卒業後に『WIRED』日本版編集部に所属し、雑誌、デジタルメディアの編集に携わる。2017年の渡独を機に独立し、現在はフリーランスとして活動している。