
SOLD OUT
榎本空『それで君の声はどこにあるんだ?』(岩波書店, 2022)
4月23日配信のポッドキャスト『Thursday』で話していた一冊が、Mokusei Book Clubに入荷したのでお知らせです。
何かに出会ってしまったとき、どうにかこうにか関わり続けなければと思う。
でも何もできないかもしれないので、近づかないほうがよいのでは、いや、やっぱり見なかったことにはできない。
そんな葛藤のなかでぼくらは何ができるのか?
著者(神学/人類学者)が、台湾を経てニューヨークに渡り、コロナ禍やBLMの日々のなか、ジェイムズ・H・コーンやコーネル・ウェストに黒人神学を学び、文化人類学を学ぶためにノースカロライナへ移るまでのあいだの、そんな問いと格闘する数年間が描かれた一冊です。
人が人に寄り添おうとする瞬間に抱える葛藤と勇気について考えているのが榎本さんで、こういうかたが同時代にいてこの一冊を書いてくれて良かったです。黒人神学というと「遠い」かもしれませんが、コルトレーンやチャンス・ザ・ラッパー、ロバート・グラスパーの音楽、シャカリ・リチャードソンのランニングや大阪なおみのプレーや言葉につながっている話だと言うと、だいぶ近くに響いてくるものがあるのではと思います。
この本は、ジェイムズ・H・コーン『誰にも言わないといったけれど』を榎本さんが翻訳された2020年3月以降におそらく書かれはじめ、後書きが2021年末、刊行が2022年になっています。コロナ時代やBLMのただなかの記録として、いまこの瞬間の話として、何度も読んでいます。
Mokusei Book Clubでどうぞ。
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